僕らの正義
その瞬間。
「……!?」
スピカの頭の上に幾つもの感嘆符と疑問符が飛び交った。
「ああいや、そっちの意味じゃないから」
「当たり前だろ!」
今のは心臓に悪かった。うちの連中だってそこまでえぐい真似は。
……。一部本当にしてそうで怖い。
「つかなんでそんなこと聞く必要があんだよ」
スピカは自分の膝の上に頬杖をついた。
「殺しは趣味じゃねえ、仕事だ。死すべき相手を殺すんだ、んなもん殺したらそれまでに決まってんだろうが」
フォックスは視線を向ける。
「それが答えか?」
何となくぎくりとして怖じけづいた。
「お、おう」
にこりと笑み。
……意図が掴めない。不審に思っていると。
「俺はあるよ」
そのキツネはおもむろに。
「死体を抱いたこと」
話を始めた。