僕らの正義



――エックス邸、食堂。

「はい、お茶です」
「どーもー」 

テーブルに頬杖を付いて不貞腐れ顔、床を踵で繰り返し叩く。

雨に濡れた体に優しい温かな飲み物とそれに加えて茶菓子まで親切で差し出されたところでころっと機嫌が変わるでもなく絶賛ご機嫌斜めの様子である彼は敵対組織偽物集団ダークシャドウの指揮をとるリーダーのスピカ・リー。

「そんなに怒らなくても、」

だん、とテーブルを叩いて遮られ向かいのルーティは肩を跳ねさせて苦笑い。

「誰のせいで機嫌が悪いと思ってんだ!」
「スピカばっかり怒らないでよ。僕だって不満が山ほどあるんだから」
「だったら聞いてやろうじゃねえか言われた分返してやるよ」
「まあまあ」

物腰柔らかな口調でリンクが場の空気を鎮める。

「聞いた限りではよくある話見たいですし」
「よくあるけど!」
「よくない!」

……息ぴったりである。

「こっちの邪魔ばっかりしやがって」

足を組んで茶菓子を摘まみ、そう洩らしてパキッと音を立て噛み砕く。

それを見たルーティも彼にしては珍しくそっぽを向いて。
 
 
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