僕らの正義



「申し訳ありません」

ダークファルコが口元に浮かべた笑みとは裏腹に。

「我々も神様にはほとほとに呆れておりますから」

こふっと血を吐き出す神父の男。

「信仰する団体なんて」

目を細める。

「吐き気がするほど嫌いなんですよね」


ルーティは思わず瞼を瞑った。

ぶちぶちと音を鳴らして引き摺り出される心の臓。確かめるべくそっと目を開いたが直ぐに閉じた。ダークウルフは手に持った赤の塊を暫し眺めた後。

ずしゅ、と握り潰して。

「可愛いなぁ」

ルーティは大袈裟に肩を跳ねた。

「……怖い?」


やっぱり思い違いじゃないか!


「な、なんで」

ルーティは微かに震えながら訊いた。

「殺す必要なんか……」

あのさぁ、と口を開いたダークフォックスをダークウルフが留めた。

「ついて来い」
 
 
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