僕らの正義
「えっ、任務?」
ルーティは箸を止めて辺りを見回し時計を探した。
「午後七時。頃合いじゃねーの?」
そうか。彼らは此方の能力に加え影を操る特性を持つが陽の光に弱い。日の沈んだ今くらいの時間こそが外の世界に出向くには適しているのだ。
「まるでいじめられっこですねぇ」
ダークファルコがくすくすと笑うが全くもって洒落になっていない。
別に通りかかっただけで罵声を浴びさせられたり生卵を投げつけられたり、挙げ句トイレにこもれば上から水がなどといった典型的な惨事にまでは至ってないのだが何しろ空気が。……空気が。
リーダーといってもたった一日の話だ。これから一生なら未だしも、それだけの話なら壁を取り除くつもりなどないだろうな。
「貴方も忠犬ですねえ」
まあ、ただ一人を除いて。
「丸腰の敵将だ。目を離せば誰が手を出すか分からない」
「そういう意味では信用ならないというわけですか」
「くくっ。それも“リーダーの為”だろぉ?」
話の読めないやり取りを耳にしつつルーティは味噌汁を啜る。