僕らの正義
馬鹿にされたような気がした。
あいつらのこと、何も知らない癖して。
「ちょ、ここ食堂だよ。なにマジになっちゃってんの」
苦笑いを浮かべるカービィに悪気は見て取れない。
それが余計に苛立ちを募らせた。
「どうりであいつがターゲットを寄越さないわけだよ」
スピカははっと笑った。
「殺さなくていいから殺さないって?」
……反吐が出る。
「だったら一生そうしてろよ。その内に剣は錆び、拳は訛るだろうな」
「っそんな言い方」
「今の正義を腐らせてるのはお前たちなんだよ!」
右手を打ち払う。
「馬鹿で間抜けで腑抜けたお前らが正義を気取って世界を甘やかせてる」
何も分かってない。
「そうじゃないってなら証明しろ、今ここで俺を打ちのめせ」
「いくら何でも熱くなりすぎですよ」
宥めるリンクを無視してスピカは頬に黒の閃光を走らせる。
「出来るんだろ?」
攻撃的な視線を刺すと一部の連中が目の色を変えた。
「……やってみろよ」