僕らの正義



そうか。子供も依頼を受けてるんだよな。

ぱたぱたと走り去っていくネスとリュカを見送った後で入れ替わるようにやって来たのは剣士組だった。奴らはいつも稽古をしている印象だが、ピットやカービィを交えている辺りそれぞれのパートナーを連れて依頼届を受け取りに来たようだ。

「あっこれなんか簡単そうじゃね?」

ロイが言うとピットはむむむ、と唸って凝視。

「また、空……」
「文句言うなって、これも経験だろ?」

肘で小突いたり茶化したり。如何にも青春真っ盛りの男子高校生ですといった平和的なやり取りを横目にスピカは適当に一枚の依頼届を手に取る。……内容を流し見したところ、皮肉にも依頼は凶悪犯罪組織の壊滅だった。どう凶悪であるかは興味ないがやっとまともな依頼届と対面できた気がして内心ほっとしている。

「僕はどうしようかな……」
「無理をするな。前回の傷がまだ癒えてないんだろう」
「平気だよ。剣も使わないと錆びるからね」

スピカはマルスをちらり。

「誰かさんみたいなことを言いますね」
「リスペクトする相手変えといた方がいいよー?」
「揃いも揃って誰のことを」
「……おい」

声に誘われ振り向いて。視線を少し下へ。

「あっスピカじゃん」

青筋が浮かぶ。
 
 
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