兄の心配
「やっりい、僕の勝ち!」
ここはエックス邸、食堂。
「も、もう少しだったのにぃ……」
がっくりと肩を落としたのはヨッシー。その隣でカービィはにやにやとしながらぽんと肩を叩いて。どうやらこの二人、大食い競争をしてたらしい。
「本当、あれだけの食べ物が何処に収まったんですかね」
「んふふー、知りたい?」
怪訝そうなリンクに、カービィはずいと詰め寄る。
「どうやってですか」
「解体とか」
「マッドサイエンティストじゃありませんよ、俺は」
空っぽになった皿を片付けながら、小さく溜め息。……全く、この二人は思いつきでこんなことを始めるのだから困りものだ。食糧が幾つあっても足りない。
「ああいう、ミステリアス系男子は如何かね?」
ローナは離れた所から見つめ、腕を組んで。
「時代は追われるよりも追う系女子! だと思うのだよ」
「でも……あれじゃ家計が火の車かも」
あはは、とピチカは苦笑い。
「同じミステリアスならロボットやゲムヲもいるぞ!」
「なに話せばいいか分かんないよー」
無口はさすがにアウトだったか。
ローナとピチカはその後も暫く話していたが、やはりここでも理想のお婿さんとやらは見つからなかったのか、ぱたぱたと揃って食堂を後にした。
直後、テーブルの下からスピカとネロがひょっこり。
「くそ……まだ候補がいんのかよ。男の比率高すぎだろ」
「お前んとこのパクり集団も同じだろぉが」
スピカはむっとして。
「……大体、妹なんてのは子供みたいにいつか離れていっちまうんだ。それを今更執着したって仕方ないことだろ。何がそんなに気に食わねーんだ」