スマ学200のお題


129.興味



……理科室。

放課後、ここは科学研究部のテリトリーとなる。物騒な言い回しだが実際その通りで今日はまだ何も起こっていないが実験の成功であれ失敗であれ他の生徒を巻き込むのは大抵ここ。廃部とならないのは校長と教頭が揃って愉しんで評価しているからなのかはたまたこの部活の部長を勤めているレオンに逆らえないからなのか。……


「うん。ありがとう」

入り口で決して短くもない時間女子生徒と会話を楽しんだ後に戻ってきたのは。

「モテる男は辛いねえ」

スリッピーがぼやいた相手はシュルクである。

「えっ?」
「今の絶対シュルク目的だろ」

シュルクの手には差し入れと思しき小さな箱が。あまり目立って言及されないが彼は黄色い声を浴びる側の人間なのだ。確かに優しい風貌に高身長ともなれば見逃されるはずもない。

「皆に、って言ってたよ?」
「素直に受け取るとは長生きしないな」

試験管の中の青白い液体を見つめながらレオン。

「受け取らないのは失礼ですよ」
「ったく。これだもんなあ!」
「言わせておけ」

その一方で窓辺で読書をしていたユウがふと窓の外に目を向けると気になる影を目に留めた。

マークである。グラウンドにある木の下で女子生徒と話している様子。当然会話の内容は聞こえるはずもないが大方想像が付く。

「いいのか」

いつの間にかその隣に来てその様子を眺めているシュルクに目もくれないままユウが訊ねると。

「……面白くはないけど。仕方ないよ」


これだもんなあ!


「自分も同じこと思われてる自覚ないのかな」
「分からないこともないがな」
「ぺっ!」

興味がないにも程がある。
 
 
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