スマ学200のお題
112.振るい
校舎裏。
「何をしてるんだ?」
何やら壁から覗き込んでいた様子のユウ。不意打ちにぎくりと肩を跳ねて振り返り声を掛けてきたその人に人差し指を立てて沈黙を促したが直後。
「付き合ってくださいっ!」
告白。
「えっなになに珍しいじゃん」
改めて目を見張るユウの上からひょいとその様子を覗き込んだのはカービィ。冒頭で彼に声を掛けたのは更にその上から覗き込んだロイである。
「だよなー」
三人が固唾を飲んで見守る先で女子生徒に告白されていたのは──なんとあのリオンだった。
「黙ってれば顔はいい方だしねぇ」
「性格はアレだけど」
言葉の通りリオンは身長も高い上に容姿端麗、成績はあれでいて優秀。天性のマゾヒスト且つ周囲を巻き込んで変態的な言動を繰り返してはそれがどんな反応であれ興奮を示す異質な性格を除いてしまえばモテる側の人間である。
「もしかして心配で来ちゃった系?」
「本命いるんだし断るだろ」
「──私でよければ」
急展開。
「マジ?」
カービィとロイは声を揃える。
「ただし」
リオンは踏み出す。
「私は……ロリショタが好きだ」
「し、知ってます」
「絶対領域をこよなく愛している」
「存じ上げています」
知れ渡ってる。
「大人の玩具を用いて授業を受けたことがあるし初めて見た大人のビデオは触手モノだった。NTRモノには耐性もあるし理解もある。公開羞恥プレイこそ至高だし、私の次の目標は電車で通学中に痴漢されてしまい高まった熱を降りた先の駅のトイレで解消してもらうことだ」
リオンはじりじりと距離を詰めながら。
「それでも……?」
女子生徒は顔を青ざめると。
「やっぱりいいですうう!」
一目散に逃走。
「あいつはあれで一度教師に呼び出されている」
「だろうな」
「次も呼び出されるんじゃない?」
「なんだ見ていたのか!」
リオンは即座に駆け付けると跪くなりユウの手を取りながらうっとりと。
「やはり私にはユウしか居ない……」
「私が全てを受け入れているものと思うな」
「開拓なら任せてくれ!」
「いっぺん死ね」
カービィとロイは苦笑いを浮かべながら。
「つよ……」
「ありゃユウにしか無理だな」