おいでませ、ダーク診療所!



……、……。

「お大事に」

死ぬかと思った。 

まさかあのタイミングで擽られるとは思いもしなかった。自分だけではない、抵抗も儘ならないままウルフまで辱めを受けたのである。互いに焚かれたお香のせいで力が抜けてしまい助けることも叶わなかったが、まさかウルフがあんな――

「あだっ」

良からぬセンサーを感知して脳天に拳骨。

「なんで叩くのさ!」
「うるせえ自分に聞いて確かめてみろ」

弱みを握れる相手でもないしこればかりはお互い様だ。

「どうかしたのか?」
「なっなんでもないよ」

部屋を後にしてすぐフォックスが声をかけてきたが、とても事細かに答えられたものではない。結局、誤魔化すようにふいと顔を背けてしまったが。

……こうやって犠牲者は増えていくんだろうなあ。


次は肺活量である。


「よお、赤いヒゲと緑のヒゲ」

本来は空き部屋だった此処もマスターの手にかかれば。

それはそうとして肺活量を測るのはダークリンクとダークトゥーンのペアらしい。

「うどんみたいな言い回しをするな」

溜め息を吐いて扉を閉める。

そして。
 
 
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