おいでませ、ダーク診療所!
あ、あれ……?
自身の意思とは裏腹に服の裾を掴んでゆっくりと、たくしあげていく。何だか頭がぼうっとしてきたし、視界が揺れている。気持ち悪いというよりは心地いいような擽ったいような不思議な感覚に逆らう術もなくじわじわと侵されて……
「診察中はお静かに」
ウルフも直ぐに異変に気付いたが遅かった。
ぐらっと視界が揺らいで足下がふらつき、片手で頭を抱えつつ壁に背を預ける。
「なんて言うまでもないか」
鼻を突く、この匂い。
「悪いものじゃないから安心しなよ」
微かに火照った肌にひんやりと聴診器が押し当てられる。
「ぅ」
多分、さっき口の中に放り込まれたものが原因だ。
加えてこの甘い匂い、頭に染み込むようで思考がまとまらない。
「心音が落ち着かないようだが」
マスターはくすっと笑って、
「何か問題でも?」
聴診器の表面が強調を示す桜色の突起に触れると。
「っ、ん」
死にたい。
「異常はなさそうだな」
長く弄ばれることもなく解放を受けて、安心したのも束の間。
「つぎはしょくしんだよルーティ」