おいでませ、ダーク診療所!



振り返ってウルフを見遣る。……睨まれた。

「じ、じゃあ僕からで」
「ならそこの椅子に座れ」

指示に従って、マスターの目の前にある丸椅子に腰掛ける。

「変わりはないか?」
「実はちょっと前に風邪をひいちゃって」

マスターは机の上から舌圧子を選び取って椅子を寄せる。

「口を開けろ」

なんだ、案外普通じゃないか。そういえばマスターは昔から研究や実験が趣味だと聞いているし見様見真似とかそうではなく単純に得意なのでは。……そもそもの話彼は創造神なのだ。元を辿ればあれもそれも始まりは目の前にいるこの人。

ぐぬぬと誰もが顔を顰めて認める天才だ、寧ろ知らないことなんか、

「んむっ」

……何かを口の中に放り込まれた。

「頭の中で褒めちぎってくれるのは勝手だが」

マスターは舌圧子を置いて、

「天才が発想の全てを役立つことに向けると思うな」

聴診器をセット。

「さて」

その瞬間から彼の声が響くようになる。

「服を捲れ、ルーティ」
 
 
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