おいでませ、ダーク診療所!
健康診断をする、ということで急遽集められたX部隊メンバー。
集合に打ってつけのエントランスホールに集合したまではいいが何故か全員、運動会などでお馴染みの体操服を着させられている。それだけではない、なんと胸にはばばんと自分の名前が平仮名で大きく書かれているのだ。
ふざけるなと言いたいところだがそれを素直に着ている自分たちもどうなのか。
「お前たちの服は作りが凝っていて面倒だからな」
「体操服の方がやりやすいんだよね」
口々に言うマスターとクレイジーも今日ばかりは普段着と異なる。
それぞれが首に聴診器を掛け、白いシャツに黒い衣を羽織っていた。恐らく医師がよく着ている白衣を黒塗りしたものだろうがこれがまた胡散臭さを物語っている。
「……なに?」
「触診はあるのでしょうか」
満更でもない連中もいるようだが。
「考えてなかったな」
「どうしようか」
いつの間にか双子の目の前にまで移動して、その上わざわざ“おすわり”をしながら返答を待つこいつもなかなかタフ。相手は敵対している神様だというのに。
とはいえ。ここは下手に騒ぐより黙っておいた方が……
「何も言わないということはそれで構わないというわけか」
「そういうことなら僕たち頑張らないとね」
ですよね。
「ありがとうございます!」
「リオン、後ろ後ろ」