おいでませ、ダーク診療所!
何の変哲もない。
ただ思ったままを口にしただけの単純な指摘。
「それはどうも親切に」
黙るクレイジーに対しマスターはさっと診断書を奪い去る。
「行こうか」
何だろうこの違和感。空気。
「もしかして」
マスターとクレイジーはぴたりと揃えて立ち止まった。
「二人は注射が苦手とか」
「はああ? そんなわけないじゃんこの清楚ビッチ!」
図星を突かれた人の特徴、その一。
声が大きくなる。
「血液検査とか不必要だから! 大体神様なんだから予防接種も何も病気とは無縁だしそれってイコール注射いらないってことになりませんかね!?」
その二。やたら饒舌、或いは黙り。
「クレイジー」
「何だよ!」
「煽りすぎだ」
……その三。
「X部隊全隊員に告ぐ」
ルーティはぎろりと鋭い視線を刺した。
「全力で双子を捕獲せよ」