おいでませ、ダーク診療所!



さっきはあんなことを言ったが、実際目の敵にしてるのはこいつだけだ。

幼馴染みだぞ。加えて一の差ではあるが年上だ。格好付けないわけじゃないがこいつにだけは負けたくない。誰のせいで厚底のブーツを履かされてると思ってる。

「俺より身長高かったら頭の天辺を鑢(やすり)で削るからな」
「なんで僕だけ?」

スピカに背を強引に押されるがまま身長体重計へ。

「すまねえな、ルー君」
「いいよ、身長のこととなるとああだし」

こそこそと耳打ちをしている間にも視線が痛い。ぐさぐさ。

「……計るぞ」

ダークウルフはカーソルをゆっくりと下ろす。……


負けた。

二センチも差があるとか嘘だろ……!

「り、リーダー……」

ルーティの診断書を手にわなわなと震えるスピカ。

「気にすることないですよ!」

励ますべくダークウルフが回り込む。

「ほら! 有名人だって言ってるじゃないですか!」

立てた人差し指をリズミカルに振りながら、

「ちっちゃいことは気にしないー、って」
「芸人じゃねえか!」

スピカの蹴りが炸裂したのは言うまでもなく。
 
 
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