おいでませ、ダーク診療所!
こいつらは聴力検査を早押しクイズか何かと勘違いしてないか。そう思っている間にヘッドホンから音楽が流れてきた。結構音が小さい、ということはここから徐々に音量を上げて、まだ小さい内に答えた方が聴力が良いと診断されるわけか。
「初代マリオブラザーズ」
あっ、とファルコが声を洩らした。
「聞いたことあるとは思ってたんだがな……」
「初出がアーケードだからな」
それにしても、これはまた随分とマイナーな所を攻めてくるな。
でも、選曲は悪くない。何だか楽しくなってきたぞ!
「もう少し分かりやすいのを流せよ」
「ファルコ。簡単だったらつまらないだろ」
ダークルカリオは指を鳴らして、
「次を流してやりな」
はたと口を閉ざして集中。
さて、今度は――
『ざけんなフォックス、潜入任務中だろうが!』
……?
『そんなこと言って“ココ”は期待してるみたいだが?』
『てめえが、執拗に煽るからだろっ……!』
これってまさか。
『帰るまでに我慢できるはずないだろ? こんなに可愛いのに』
『ぁ、フォックス』
「ぎゃあぁあああ!?」
「うわあぁああ!?」
ファルコが叫んだ。釣られてフォックス。
「心当たりがあったところで。こいつはいつの録音だろうなぁ?」
いやいやいや!
「ふざけんなああああッ!」