おいでませ、ダーク診療所!
浅く息を弾ませて、男は少年に先端を近付ける。
「大丈夫、怖くないからねぇ……」
少年は先端を見つめて怯えたように目尻に雫を浮かべたが、遂に観念したのかまだ幼い身体を差し出した。男はほくそ笑んで先端を優しく押し当てる。
「痛いのはすぐに終わるから、ね……?」
採血。
「ああぁ……」
ダークマルスは試験管に蓋をして納められた血を見てうっとり。
「この検査は最っ高だねぇ毎日でもしたいくらいだよ……!」
「死ぬって」
すかさずネスがツッコミ。
そう、採血の検査はダークマルスが受け持つことになっていたのだ。ダークアイクもいるが今回は完全にカルテをとるだけで、双方共に変な細工を施すつもりは一切無いようだが問題は採血を担当するダークマルスの方である。
「君は確か……風邪の予備軍だと、診断書に書かれていたねぇ……」
ダークマルスは注射を頬に寄せて怪しく息を弾ませながら。
「たっぷり(薬を)注ぎ込んであげるからね……!」
「その言い回しを何とかしろって!」