キミの誕生日
「言うねえ、メタナイト」
カービィはくすっと笑みをこぼす。
「結果報告なら俺がしてやるよ!」
「遠慮しておく」
ぱっと現れたロイにさらりと返し、見上げるゲムヲの頭の上にぽんと手を置く。
「リンク。その辺は頼んだ」
彼にはそう告げて、アイクはゲムヲと共に屋敷へ。はいはい、と笑うリンクを頭の後ろで手を組みながらぶすっとした顔で見つめ、ロイは溜め息を吐き出す。
「信用ねえなぁ」
「日頃の行いが悪いからです。この際徹底してください」
「えー。人の個性殺す気かよ」
屋敷に入ると、ゲムヲの様子ががらりと変わった。
とまあ、正確には積極的になったのだ。アイクの手首を掴み、こっちこっちと引っ張っては歩く。向かう先が食堂なのを知って、早くも察してしまった。
今回のターゲットは自分だということを。
「アイクが忙しいのデス」
食堂に入る直前で鉢合わせたのは彼のパートナー、ロボットだった。
「俺じゃない」
そう返すと、ロボットはゲムヲを見つめた。立ち止まったゲムヲもじっと見つめ返し、妙な沈黙が訪れる。ああ、どんだけ無口なペアなんだ。本当に。
「……是非、彼の想いに耳を傾けてください」
アイクは目を丸くする。
「彼はただ、不器用なだけデスから」