キミの誕生日
「おや、どうも見かけないかと思えば」
エックス邸、門を抜けて庭に入ると、子供たちの相手をしていたリンクが真っ先に二人を見つけて駆け寄ってきた。アイクは怪訝そうに視線を返す。
「……何か用事か?」
「いえ。揃って居なくなるもので気になったんです」
「朝から何処行ってたのかなぁー?」
にやにやしながらリンクの後ろからひょっこり顔を出したのはカービィ。
「夜に限ったことじゃないしねぇ……?」
「カービィ!」
からかうカービィの頭を後ろから叩いたのはメタナイト。叩いたといっても拳でもなければ平手でもなく、彼らしい(?)鞘での突っ込みだったわけだが。
「いったあ!」
「成る程。お盛んですね」
リンクの悪乗りにメタナイトはすかさず睨みを利かせたが、対する本人はにこり。
「全く。……カービィ、始めるぞ」
「はぁーい」
「何を始めるんだ?」
メタナイトがふんと鼻を鳴らし歩き出せば、その後ろを面倒臭そうに欠伸を洩らしつつもついていくカービィを目にアイクは訊ねる。
「剣の腕が訛ってはいけないからと、メタナイトが」
「ああ……」
成る程。それは実に興味深い。
そう思ったが、服の裾をくいと引かれた。振り返ると、いつもと変わらない無表情でゲムヲがじっと見つめている。さて、このタイミングでどうしたものか……
「行ってやれ、アイク」
メタナイトは口を開いて。
「数分で終わるような茶番に付き合うことはない」