キミの誕生日



四人が向かったのは食堂だった。

「あ、いたいた」

食堂に入ってすぐの席にメタナイトは腰を下ろし、ショートケーキをフォークでひと口サイズに切り分けては口に運んでいる。ロイは真っ先に駆け寄って。

「なっなんだお前たち」
「おや。肝心のゲムヲが見当たりませんね」

それを聞いたメタナイトは手を止める。

「部屋に戻ったんじゃないか」
「分からないね。それで、花は貰ったのかい?」
「ああ……そいつのことか」

見れば、テーブル端に包装された一輪の花が置いてあり、その中にはメッセージカードが添えられていた。アイクはそれを手に取って、メタナイトを見遣る。

「見ていいか?」
「別に構わないが」

アイクはメッセージカードの内容に目を通した。


“おめでとう ありがとう”


「……?」

何のことだろう。

「解読はできたか? アイク」

メタナイトがそう訊ねるので、当然アイクは首を横に振って。

「縦読み……じゃねえな。どういう意味だ?」
「さあ。俺もよく分かりません」

ロイとリンクが口々に話す中、アイクはそのメッセージカードをじっと見つめていた。気付いたマルスが隣から覗き込むようにして、声をかける。

「どうかしたのかい?」
「……いや」

アイクはメッセージカードを元の位置に戻す。

「何でもない」
 
 
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