世界の終わり



「半分ハズレだ」

弟は少しだけ眉を寄せて、

「……残りの半分は?」

思わず目を逸らす。

「ふぅん」


――ちゃんと向き合って。


「クレイジー」

今度は。今度こそ。

「話したいことがある」


事実から目を逸らさないように――


「お前が言っていた通りだ」

ぐっと拳を握る。

「……俺はあの日常が好きだった」

顔を上げて見据えはっきりと。

「大好きだった」

弟は沈黙している。

「本当は壊したくなかった。お前のことは恨んでいない、それでも」


大切だった。


「……やめてよ」
 
 
14/17ページ
スキ