世界の終わり



無意識の中で互いに片時も離れないようにしていた。

大好きだから。


……いや。

本当はそれよりも。


「クレイジー」

途端、背中を向けて退散を試みる弟をすかさず呼び止めた。

「何だよ」


父さんのことを考えてくれたのは嬉しいよ。

でもクレイジーのことも考えてあげて。


ちゃんと向き合って、自分の気持ちに決着をつけて。

それが出来るのも分かり合えるのも、僕じゃないと思うから。


「……昨日のことなんだが」

振り返った弟と目を合わせるのが何故か怖かった。

でも。言われてしまったからには。
 
 
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