世界の終わり
全くしたことがないと言えば嘘になる。
それでも、互いに愛してるが故なのか問題の解決にはなっていなくてもどちらかが折れることで場の空気をおさめることは出来た。その役目は、大抵。
「……はぁあ」
盛大な溜め息を吐き出した。
それもそのはず、だってここ亜空間にある研究施設を模した僕たちの基地はご覧の有り様だ。所々が言葉では説明がつかないくらい崩れて見るも無残。いくら大喧嘩とはいえ基地の中で兄弟揃って神力解放なんて今更ながらやり過ぎたような……ああ、暗い紫色の空が丸見えだ。この大穴どうしよう。
僕には直せない。
だって、破壊神だから。
兄さんがそうしたのではなく生まれつき。
いらなかったかと聞かれればそんなことはなくてこの力は自分を、兄さんを助ける為に沢山の場面で活躍してきた。
それに。僕にとっては唯一で。
例えその程度でもそれ以上は無くて……
「ああぁあっ、もう!」
僕が出ていけばよかった。リビングもぶっ壊れてテレビも使い物にならないし、僕じゃどうしようもないし兄さんは居ないし。
「クレイジー」
「なにっ、」
苛立ちに任せて振り返ると。
「……兄さん」