神様のねがいごと
タブーはそれまで差し出していたスプーンを引っ込めて、目の前のコーンスープを掬った。ふぅ、と息を吹きかけて。
そろそろと自分の口へと運ぶ。
「……わからない」
タブーはぽつりと呟いた。
「ぼくがこどもじゃないからかな」
ふいと顔を背けるウルフに、あんたが余計なこと言うからとカービィが小突く。
それにしては、今日はおとなしかった。
「ねえ、タブー」
ルーティは声をかける。
「本当は何が目的だったの?」
誰もが口を閉じ、その答えに注目していた。タブーはスプーンを置いて、口を開く。
「……かぞく」
ルーティは目を開いた。
「すごくうれしそうにわらってた。きっとしあわせで、すごくたいせつなもの」
街の中で見つけた。
それは温かくて、優しくて。
「でも、ぼくにはわからない」
タブーは最後、顔を俯かせて続けた。
「……わからないよ」