神様のねがいごと



所変わって、ここは亜空間。

「はあ?」

クレイジーはタブーを睨み付けた。

「お断りだね! 馬鹿馬鹿しいっ」
「何を騒いでいる」

騒ぎを聞き付けて現れたのはマスターだった。……断っておくが、彼らは屋外ではなく基地にあるリビングにいたのである。

「マスター」
「兄さん……いいよ、気にしなくて」
「よくないだろ。言ってみろ」

タブーはクレイジーの視線を気にしていたが、静かに息を呑むと口を開いた。


「ぼくの、かぞくになって」


マスターは目を丸くする。

「……急にどうした」
「どうせただの思いつきでしょ」

確かに、クレイジーの言う通りだ。

が、見過ごせなかった。それだけの為に生み出されたから、求めるなと突き放すことだけは。……出来るはずがなかったのだ。

だって自分は。ずっと昔に――
 
 
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