神様のねがいごと
それは、とある昼下がりのこと。
「……たいせつ」
街中を歩いていたタブーはふと立ち止まり、その光景に暫し目を奪われ、呟いた。
――エックス邸。
「ウルフ、よかったら大乱闘しない?」
食堂での食事を終えたルーティは、ウルフの袖を引いて声をかけた。
ウルフは煙草を吹かせながら、
「……そうだな」
どうせ今日は任務も入ってないし。
「いいぜ。付き合ってやる」
「うん! じゃあ先に行ってるね!」
ルーティはにこりと笑って、ウルフの元を離れる。食堂の出入り口へ向かって。
「後は誰を誘おっかなー……」
扉を開いた。
「あっルーティ」
ぱたん、と扉を閉めて。
「……どうした」
「い、今、何か不吉なものが」
「つかまえた」
「っぎゃー!?」
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