今日からワタシは
私が、妊娠しただと?
んなわけがあるか! 自分が男ということは熟知している。どうしてこうなった……
「っ……、よし」
どうやら奴らを撒いたらしい。
後ろを振り返っては確認、ひと安心して膝に手を付き、息を弾ませていると。
「あっれぇ? ユウじゃーん」
この声は。顔を上げて、直後に大きく身を引いた。そこにはにやにやといやらしい笑みを浮かべたカービィが立っていて。
「急に動くとお腹の子びっくりするよー」
「よ、余計な――って何故それを」
カービィは相変わらずにやにや。
「だってぇ、もう屋敷中その噂で持ち切りだもん。ねー、男か女っていつ分かる?」
ユウは愕然とした。
犯人がいるとすれば、食堂で居合わせたあの四人が怪しい。取り分けてリオンが。
あいつなら喜びのあまり歌いそうだ。