今日からワタシは



「あ、あんな所に野生のミュウが!」

ユウは窓の方面を指差して。

「そんなこと言って……」
「え、どこどこ?」
「あっ本当にいたんですか?」
「ちょっと私も見たことないのに」
「私も図鑑に登録してな、」

リオンがふと振り返るとそこにユウの姿はなく、半開きの扉が静かに揺れて。

「逃げられてるじゃないですか」
「げ、芸人としての性がががっ……」

リンクはドンキーの後ろに回り込み、こめかみを握った拳でぐりぐり。

「貴方、本職はゴリラでしょう」
「戦士や」

一方、リオンは無言のまま扉を見つめて。

「どうかしたの?」

気付いたリムが声をかける。

「……いや」

リオンはぺろりと舌を出して。

「そういえば図鑑、持ってなかっ」
「その顔やめなさい」

すかさず、リムの手によってリオンは椅子やテーブルの山の下敷きになった。
 
 
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