今日からワタシは



ユウが思わず立ち上がって息を弾ませていると、これまたリオンが空気を読まずに。

「それで、いつ頃産まれるんだ!?」
「もう。せっかちなんだから」

くすくすと笑みを溢すリム。

「おい、貴様ら……いつまでこの残念な脳内を晒すエンターテイメントは続くんだ」

ユウはこめかみに青筋を浮かべて。

「証拠もない癖にっ、ふざけ」
「ここにこんなものがあります……」

リンクが手にしていたのは体温計と形状が似ている長細い、小さな器具。

「では、行きましょうか」

腕を掴まれ、ユウは慌てて振り払う。

「どっ何処に連れていくつもりだ!」
「決まってるじゃないですか」

リンクはにこりと笑って。


「“御手洗い”ですよ」


さあっと血の気が引いていくのが分かった。同時に、彼らがどれだけ危ない連中かということも……ユウはじり、と後退り。

――逃げるんだ。それしかない!
 
 
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