今日からワタシは



どうして、揃いも揃って馬鹿なのか。

少し考えたら分かるはずだ。私はやはり男だし、妊娠なんかしていないのに。

「困ったことがあればいつでも言え」

廊下を歩いている途中、突然クッパに呼び止められたかと思えばこうだ。

「子供には反抗期というものもある」
「そうか。私は対応に困ってるんだが」

ユウはそう返しつつ、肩を掴んでいた手を払って。すると、クッパは心配そうに。

「具合が悪いのか?」


――あっ。


「今朝のあれか……」

そういえば自分は、早朝の任務から帰って早々体調不良を訴えていた。しかしあれは悪阻ではなく、単なる車酔いだ。

とにかく気分をすっきりさせたくて、グレープフルーツも要求した。……そういえば、妊娠中の女性は甘酸っぱいものを無性に欲するのだと何処かのサイトで見たな。

「ユウ」
「……ん?」
「旦那が来ているぞ」

そう言われて、ゆっくりと振り返る。
 
 
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