悪なるアイツを倒すには



カービィは予め、リンクの能力をコピーしている。

剣による大きな差は出ないはずだ。カービィがすっと目の色を変えて構えを取ったその時、アイクは何に気付いたかはっと目を開いた。

「まずいな」
「……何がだよ」

ロイは頭上に疑問符を浮かべる。

「この勝負、ダークカービィが負ける」

感嘆符加わってロイは思わず声を上げた。

「なっ……まだ始まってもないのに分かんねーだろ!?」
「ダークシャドウ自身が俺たちと対照的なのは知っているな」
「そ、そりゃあ……でもカービィが攻撃のエキスパートならその逆で、」

ダークカービィは防御に優れて――


しまった。


「気付いたようだな」

俺の考えは確かに間違っちゃいない。

けど対照的なのはそこだけじゃなかった。


アイツは……ダークカービィは剣が使えない!


「あ、気付いてなかったんですか?」
「僕はてっきりそれを知った上で博打をしているものだと」
「マルスはともかくリンク、お前が俺の敵だってことはよーく分かった」

……とにかく。

剣を構えたからには本当の意味で後には引けない。

それが、メタナイトの教えだった。カービィも集中している……恐らく此方の声は届いていないだろう。剣を持つ者が向き合う、双方どんな意思があったとして。


真剣勝負は――幕を開く。
 
 
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