悪なるアイツを倒すには
「……で?」
カービィは腰に片手を当てて呆れたように首を傾げた。
「そいつがロイの選んだ僕の相手?」
――場面は変わって中庭。
「ま、まあ」
今更ながらそんな話は無しにしませんか等とは言いづらく。
言ってみれば。勝つことよりもアイツが負けることの方が気になっていたのだ。
とはいえ。
「……ふぅん」
その相手がアイツの偽物、ダークカービィなんて誰も思わないだろ!
「ほ、本当に大丈夫かよ」
ロイは不安そうにリンクに耳打ち。
「といっても、彼を勧めてきた本人は帰ってしまいましたし」
おいおい。
「……負けたところで関係ありませんし」
「おぉーい」
さすがに声に出た。
肝心のダークカービィは予めダークトゥーンの能力をコピーしているようで、剣を持った右手をぶらぶらと揺らしている。が、不意に。
「あっ」
落として、屈んだ。
「弱そう」
「ほらもうアイツもはっきり言ってんじゃん!」
先が思いやられる。や、俺も今一瞬そう思ったけど。
「だが、だからといって後には引き下がれないと思うぞ」
そう言ってアイクがしゃくるので見てみる。
「まっロイが“こいつ以外に有り得ない”って選んだ相手だろうしぃ」
カービィは剣を担いで、にやり。
「これは僕も本気で相手しなくちゃねえ……?」
この悪魔ぁああぁあ!