悪なるアイツを倒すには



どうやらカービィ、毛虫が大の苦手らしい。

「来ぉぉなぁぁいぃぃでぇぇええ!」

……もはやそういうレベルじゃないな、これ。

ああでも確かに。これならダークトゥーンが自信を持って勧めてきた理由も分かる気がする。ダークシャドウの得意分野はこちら側の苦手分野、か。

「っ……ふ」

まあ対照的なんだし当然っちゃあ当然……

「そろそろやめて差し上げた方が」
「……へ?」

こっそりリンクに指摘されて見ればカービィの表情に影が差していた。

「え、ええっと、カービィ?」
「みっ」

小さく肩を跳ねて、

「見れば、分かることなのにっ」

ぽたぽたと伝って落ちる雫。

「嫌い、なのにっ」


カービィが泣いている。


「いけませんねぇ泣かせるなんて」
「さすがの僕もフォローし兼ねるよロイ」
「携帯のカメラ構えながら言う」
「何をしている」

どす黒い影が差した。ギギギ、とぎこちなく振り返ると。

「め、メタナイト……」
「思いの外、任務が早く上がったのでな……」

嫌な予感がする。

「ところで私にはそこの男が泣いている理由がさっぱり分からんのだが……?」
「あっえっええとこれには深い訳がありまして、ですね」

何か良い知恵を恵んでくれと視線を配れば、居ない。

遠く離れて子供たちと遊んでいる。

「ロイ」

これはちょっと酷い。

「話を聞かせてもらおうか」


悪なるアイツを倒すには?

やっぱり素直に剣術のレベルを上げないと、無理みたいです。

「覚悟しろッ!」
「ぎゃあぁああごめんなさいぁぁい!」



end.
 
 
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