ハツジョウ禁止!



ばしゃっ

突然降りかかってきたのは水だった。

次の瞬間、ふっと押さえ付ける力が緩んでネロはカービィの胸に倒れかかる。

慌てて確認すると。……白目を剥いて失神していた。そんなに水が嫌いか。

「危ない遊びが好きだな」

バケツを手に小さく息を吐き出したのはメタナイトだった。部屋の前で待機していたリンク達に事情を聞かされたのだろう。

「無事か」
「びしょ濡れだよ」

もっと他の助け方はなかったの、と思いつつもとりあえず感謝。ネロを自分の上から退かし、カービィは起き上がって。

「水なし一錠、と。さあ呑め」

ネロを仰向けにさせて抱き起こし、抑制剤を(無理矢理)口の中へ。肩を揺すってやると呑み込んだので、これでひと安心か。

「ふふ……かっこいいねぇ、メタナイト」
「何がだ」
「恋人のピンチに駆けつけるなんて」
「都合よく解釈するな」
「やだ冷たい」
 
 
8/20ページ
スキ