ハツジョウ禁止!
「どういうことだ」
殺気を放つフォックス。ウルフはふいと目を逸らしたが、リンクは腕を組んで。
「成る程、そそのかされましたか」
「なっ何もしてねえよ!」
ウルフが慌てて否定すると、
「酷いよ……今朝はあんなに元気で……」
「だあああっ!」
瞳を潤ませるルーティに、ウルフは慌てて口を塞いでやる。最後のターゲットであるルーティは誘惑体質の性悪になっていたのだ。……これはなかなか質が悪い。
「くっ、早くこいつに薬を呑ませろ!」
「よかったねぇ、ルーティ。せっかくだからウルフが口移ししてくれるって」
「阿呆か! ねえよ!」
カービィまでからかう始末。ルーティはぐいぐいと距離を詰めて、見つめながら。
「ないの……?」
「ね、っ」
ウルフはごくりと言葉を呑む。
「いいからさっさと薬呑んで早く寝ろおおお!」
――その後、薬を呑ませたお陰で次の日にはルーティも元に戻っていたのだが。
「……僕、そんなこと言った?」
覚えていなかったのは言うまでもない。
「発情期なんか懲り懲りだ……」
「え、何それ」
end.
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