ハツジョウ禁止!
「ウルフ」
リンクはこっそりと声をかけて。
「あ?」
「彼、ちょっとからかってやりません?」
そう言って指差したのは同じく仕掛け人のカービィである。そんなこととも知らず、ウルフはふんと鼻を鳴らして。
「おい、カービィ」
「んー?」
「お前ちょっと中覗いてみろ」
カービィはリンクと視線を交わすと、何となく読めたのかおとなしく扉の前へ。
ウルフはその後ろへ忍び寄る。
「何しとんの?」
「いえ。お気になさらず」
リンクはにこやかに返して。
その間にカービィはドアノブを捻り、ゆっくりと開いた。隙間から室内を覗いてみるが、やはり暗くてよく分からない。
「ほんと、なぁんで暗くすんのかなー」
呟くカービィの後ろで、ウルフは気付かれないようにそっと両手を伸ばす。指先が背中に触れた、その時である。