ハツジョウ禁止!
「薬を呑ませんかいぃい!」
扉を蹴破って現れたのはドンキーである。
「騒がしい奴だな……」
「ええ、本当に」
「喧嘩売っとるな? いくらや」
にこにこと笑いながらも指の骨を鳴らすドンキー。――とはいえ、助かった。
あのままでは本気で彼を襲い兼ねなかったからである。あのユウが無自覚で誘ってくるとは。発情期、恐るべし。
「……それでは」
そう告げて、リンクは部屋の扉を閉める。
ドンキーはやれやれといった具合に小さく息を吐き出して。
「どうだったんだ?」
「ぎりぎり。あいつ、無自覚でフェロモン放ってきよるからたまらんかったわ」
ドンキーもあれで危なかったらしい。
「なら、次は二人の方がよくないか?」
フォックスは腕を組む。――え、次って。