ハツジョウ禁止!



平気なのですか、と聞くよりも先に。

「あの、……薬を」

リンクは後ろ手で扉を閉めると、ユウの元へと歩を進めて。隣に腰を下ろして小瓶を見せると、ユウはおとなしく本を閉じた。

「……そうだったな」

その口振りからすると忘れていたのだろうか。ユウは小さく息を吐き出した。

「他の連中は?」
「まずは自分の心配をしてください」

リンクはくすっと笑って。

「それとも“彼”が心配ですか?」

……毒でも吐かれるかと思えば。ユウは静かに目を逸らすと、黙ったまま頷いて。

「そ、そうですか」

拍子抜け。というよりも。

「……悪いか」

微かに頬を赤らめ、反抗するように睨み付ける。リンクは思わず息を呑んだ。

どうしよう。


可愛いんですけど。
 
 
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