ハツジョウ禁止!
朝がやってきた。
カーテンの隙間から射し込む朝日が眩しくて、温もった布団が心地好くて。
「……、」
平和な休日。そう思っていた。
ほんの数秒前までは。
「おっ。なんだ、起きたのか」
勢いよく部屋から飛び出したウルフに声をかけたのは、フォックスだった。
ウルフは暫く扉を両手で押さえ付けていたが、その発言から彼が起こしにきたものだと気付いて。手を伸ばし、胸ぐらを掴んでぐいと引き寄せる。
「……てめえ」
「や、起きてすぐ駆けつけたんだぞ?」
「着替えてんじゃねーか」
ウルフは自室の扉を指差して。
「何が起こった。どうなってやがる」
「なんて説明するべきか……」
「フォックス。俺が話そう」
そこへ現れたのはレッドだった。
「話、聞いてもらえるかな」
ウルフは少しの間その扉を横目で睨んでいたが、ぱっとフォックスを解放して。
「さっさと話せ」
――これが恐ろしい一日の始まりだった。
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