大きくなったら
とにかく、元の姿に戻らなければ。
「待たんかい!」
あちらがああでは、事情を話したところで無駄だろう。そんなに、この成長した姿が父親のラディスに似ているのだろうか。
……とはいえ、何故捕獲?
「見つけた!」
唐突に曲がり角から飛び出してきたのはルイージだった。後ろからはドンキーやリンクが追いかけてきている……まずい。
「兄さん、捕まえるよ!」
「任せとけ!」
立ち止まるわけにはいかない。
ルーティは遅れてマリオが現れたタイミングで床を蹴り出し、低く飛び上がると。
「のわっ!」
マリオの頭を踏み台に飛び越えて。
「ご、ごめんね……」
手を合わせてこっそりと謝り、ルーティは引き続き廊下を駆ける。マリオはのっそりと起き上がると、帽子を整えながら。
「絶対に逃がさん……!」