大きくなったら
「んー……」
その時、眠そうに瞼を擦りながら洗面所に現れたのはカービィである。気付いたルーティは振り返り、笑いかけて。
「カービィ、おはよう!」
「おは」
――沈黙が訪れる。
「僕、カービィより大きいかも」
すっかり硬直してしまっている様子のカービィを目に、ルーティは小声で呟き、くすくす。間もなくカービィは口を開いて。
「ラディス……?」
え?
「何でっ! こんな所にいるはず!」
まずい。今の彼に何を言っても無駄だと判断したルーティは、一瞬の隙を突いて廊下に飛び出した。――そこへ出会したのは。
「……お前」
フォックスだった。
成長した姿が酷似しているからと父親に間違われた身だ。カービィの反応からして、鉢合わせした彼が何を仕掛けてくるか。