大きくなったら



「わりぃな、遅れて」

……この声は。

「っスピ」
「いいから急げ。長くは持たない」

冷静に返してくれているのはいいが、何を急げというのだろう。間もなく、ルーティの両手を縛っていた縄は解かれて。

何をすればいいんだと訊ねる前に、スピカは耳打ちした。さすがのルーティもその内容に耳を疑ったが、息を呑んで。

「……嘘だったら怒るからね」


間もなく、暗闇は消えて日の光が差した。


「日傘! 急いで!」
「ご、ごめんね、ダークシャドウさん」

あの暗闇を作り出していたのはダークシャドウだったのだ。地面に突っ伏すようにして倒れているダークシャドウのメンバーに、子供組は次々と日傘をさして。

「か、敵いませんね……日向は」

毒舌のダークファルコもこの状態。

「あんたのせいだかんな……」
「俺だって被害……やべ、溶けそう」

ダークフォックスとダークルイージもぐったり。太陽光が本当に駄目らしい。
 
 
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