大きくなったら
――どうしよう。
「だから、父さんじゃないんだって」
「まだしらを切るつもり?……ラディス」
ピーチは腕を組んで。
あれから何度も話したのだが、信じてもらえない。両手を後ろに回して縄で縛られてしまっているが故、抵抗も出来ず。
「ルーティ、見つかったか?」
「いや、何処にも」
屋敷から出てきたファルコが首を横に振れば、フォックスは溜め息。……そりゃあ、目の前にいるのが僕なんだし。
「絶対、逃げるなよ」
フォックスはルーティを見下ろして。
「ルーティに会わせてやりたいんだ」
「や、だからそれって無理……」
その時、不自然な影が差した。
「えっ」
今はまだ昼のはずなのに、辺りは真っ暗闇に包まれて。その場に居合わせたメンバーも慌てているようだが、姿は見えない。
一体、何が起こったのだろう。