大きくなったら
「逃がさないよ、ラディス!」
またこのパターンか!
後ろから追いかけてきているのはマルスとロイである。それも、剣を片手に全速力で追ってくるのだから恐ろしい。
「僕っ、父さんじゃないってぇ!」
「なぁにが“僕”だ!」
「そんな嘘に騙されるわけ、ないだろ!」
やっぱり、話が通じない。
それにしても、どうしてピチカ達はすぐに僕だと気付けたのか。そういえば、追ってくるメンバーにも心做しか共通点が……
「くっ」
扉を開き、庭に飛び出す。
膝に手を付いて喘いでいたのも束の間、ちょうど背にしていた扉が豪快に吹き飛ばされて。振り向き、砂煙を見つめる。
「見つけた……」
フォックスだ。逃げようと後退りするが、とんと背中が何者かに触れて驚いた。
振り向けば、そこにはガノンドロフが。
「……えー」
ようやく気付いた。父さんをよく知っているが故に執着してしまうこのメンバーは。
「捕獲せよ!」
元、DX部隊――