大きくなったら
「いた! サムス、見つけたわ!」
ですよねえええ!
ホイッスルを聞き付け、階段を駆け下りてきたのはピーチである。慌ててその場を離れ、ルーティは全力で駆け出して。
「逃がさないわよ!」
「うわっ」
後から追いかけてきたサムスが懐から鞭を取り出し、放つ。革紐を避けつつ、ルーティは目に付いた部屋にさっと飛び込んで。
「ラディス! 出てらっしゃい!」
「だから、父さんじゃないってば……」
ルーティは溜め息を吐き出して。
「……おにぃ?」
自分が飛び込んだのはバトルルームだった。そこで良くも悪くも出会したのは、ピチカを含めた子供組だったのだ。
「あ、本当だ。何で汗かいてんの?」
「つか、背ぇ高くなってね?」
……見間違えられてない?
トゥーンやディディーが口々に駆け寄ってきたのを見て、ルーティはほっと胸を撫で下ろした。とりあえずはひと安心だ。