黒染めシークレット
……ん?
「それって、お前たち……だけじゃないんだよな」
あくまで知らないことを悟られないように。
「ライバルは多いですからねー!」
えへんと胸を張ってダークゲムヲ。
「じ、じゃあ、例えばウルフとか」
ダークゲムヲが続けて答えようとしたところで口を塞がれた。犯人はダークファルコである。……悟られたか。目が合うとにこりと笑って、
「ご自分の目で確認されてみては如何でしょう」
相変わらず性格がよろしくない。
「……言われなくたって」
ふんと鼻を鳴らして背中を向ける。ずかずかと歩いていく最中。
「やっぱり知らなかったんですねえ」
楽しそうな声が嫌みったらしく聞こえた。
「受け取ってくれ」
「死んでもいらん」
差し出されたものをこうやって断るのも今日だけだと願いたい。
「……そうか」
こんな具合に暗い顔をされると胸に刺さる。
「やはりリーダーは鼻が利くらしい」
「ピカチュウって鼠だからなぁ」
「おい」
撤回。
「……じゃなくて、だ。お前らウルフは見なかったか?」