愛のカタチ
――まさか、まだ街中にいたとは。
「って、ここか?」
フォックスは目を丸くして。現在、彼は無線を使って通信しながら赤い点を目指し、ある場所に来ていた。
大勢の一般市民が行き交う、都内の駅である。フォックスが立ち尽くしていると、無線でカービィから通信が入って。
「聞こえる?……騒がしいね」
「それが、駅だったんだ」
「え?」
まさか、迷子になっているだけってオチじゃないだろうな。いや、携帯の電源は確かに切られているようだったし……
「あっ」
フォックスが立ったまま色々と思考を巡らせている間に、ウルフは駅の中へ。
「とにかく、中に入ってみて。点はそっちにあるし、移動されちゃ困るっしょ」
辿り着いた先が公衆便所とかじゃなければいいが……フォックスは様々な不安を抱えたまま、ウルフの後を追いかけた。