愛のカタチ
「カービィ」
それまで黙って話に耳を傾けていたウルフが、不意に口を開いた。名前を呼ばれたカービィは、すっと顔を向けて。
「何?」
「あいつ、携帯は持っていたのか」
「当たり前でしょ」
カービィは続けて、
「かからないよ。電源が切られてる」
「携帯持ってたんだ。なら十分」
クレイジーはくすっと小さく笑みを溢すと、室内にある小さなモニターの前に添えられた機械の前に移動し、キーボードに触れた。マスターは首を傾げて。
「どうするんだ?」
「そいつの携帯で現在地を探る」
「でもよ、電源切られてんだぜ?」
クレイジーは小さく息を吐き出す。
「……最近の携帯は、防犯対策にGPSが搭載されてるし、電源切ったって無駄」
続けて、
「壊されてない限りはね」
暫くクレイジーがキーボードを弄っていると、モニターに地図のようなものが表示された。……赤い点が点滅している。
「ほら」
クレイジーは振り向いて。
「さっさと助けにいってきたら?」