愛のカタチ
とりあえず、事情を説明。
「――成る程な」
マスターは話を聞きながら資料を書き留めていたが、ふと顔を上げて。
「お前が気絶している間にルーティの姿が無くなって、屋敷に戻ってなければ連絡も取れず、行方が掴めないと」
クレイジーは続けて、
「それも最近、怪しい気配とか手紙が屋敷に送られてりゃ、心配にもなるよねぇ」
彼にしては珍しく、面白がって責め立てはしなかった。カービィは頭に巻いた包帯に触れると、小さく溜め息を吐き出して。
「正直、自分が不甲斐ないかも」
「んな責めんなって」
ロイが宥める。
「ことはじゅうだい。はんせいしてるならパートナーにくびをはねてもらいなよ」
「おいこいつ壊れてんじゃねーか」
「正常だ」
物騒なことを口にするタブーを呆れ顔で指差すファルコに、マスターはさらりと返す。……メンテナンスは終えたばかりだ。
「とにかく」
マスターはタブーの頭の上に手を置いて。
「俺とクレイジーはこいつのメンテナンスをしていたからな。犯行は不可能だ」