愛のカタチ
背後に異様な気配を感じて、言葉の途中で振り返る。次の瞬間、振り下ろされた鉄製の棒が頭の側面に直撃してしまい。
――こんな、街中で。
「カービィ!」
「くっ」
ルーティの呼び掛けで手放しかけた意識を取り戻し、もう一度振り上げられた鉄棒を掴む。何のつもり、と問いかけようとしたが刹那――鈍い音が頭の中にまで響いて。
「ぁ」
しまった。二人、いたんだ。
今度こそ薄れゆく意識の中で、ルーティの声はもう届かない。カービィは地面に両膝を付くと、そのまま倒れ込んでしまい。
「……おーい」
一方、電話は繋がっているというのに一切の応答が無くなってしまえば、ロイは怪訝そうに呼び掛ける。初めは遠慮がちに、しかし、次第に焦りを感じ始めて。
「おい! カービィ! カービィ!」
何度も、繰り返し呼び掛ける。
「カービィ!」